都市基盤環境学域長・コース長の挨拶(2017年)

首都大学東京 都市基盤環境学域長・コース長 村越  潤

平成29 年度より、学域長・コース長を担当することになりました村越です。土木会会員の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
まずは近況として、教員の異動から紹介しますと、平成28 年度末をもって、稲員とよの教授と山崎公子助教が定年により退職されました。長きにわたり、本学での教育・研究に多大な貢献をされました。4月1日からは、同じ水環境分野に、東京大学から酒井宏治准教授が着任されました。また、横山勝英准教授が教授に昇任され、これにより、現在、常勤職員は教授7名、准教授7名、助教6名の体制となっています。本学域の西村和夫教授は理事として、宇治公隆教授は都市環境学部長・研究科長として、引き続き大学運営の中心的な役割を担っています。学生に関しては、本年3 月には大学院博士前期課程36 名、学部生55 名が修了・卒業し、4 月には博士後期課程10名、博士前期課程29名、編入学生1名、学部新入生53 名を迎え、新年度をスタートしました。
首都大学東京は平成17 年4 月に開学してから13年目を迎え、本年度より平成29年度を初年度とする第3期中期計画がスタートしたところです。また、来年度には、教育研究組織の再編が構想されています。本学域においては、基本的には組織再編において枠組みは大きくは変わりませんが、今後とも社会の要請を踏まえ、教育・研究の質の維持・向上に努め社会に貢献していくことが重要と考えています。本学に着任したちょうど1年前の4月には熊本地震があり、道路、橋、トンネル等の社会インフラも大きな被害を受けました。こうした自然災害を受けるたびに、社会インフラがいかに我々の生活の根幹を支えており、質の高いインフラ整備に向けて不断の努力を重ねていくことが必要であることを実感させられます。とかく公共事業が世間の報道では何かと批判されることも多く、あまり良い印象で受け取られていない面がありますが、土木分野の果たす役割や、それを扱う本学域の重要性はこれからも本質的に変わらないものと思います。
さて、グローバル化が進む中で、大学の国際化に向けた取り組みは最重要課題の一つとなっています。大学においては国際化行動計画が平成27 年12 月に策定され、同計画に基づき、留学生の受け入れや国際化に向けた教育研究体制の整備を進めるなど、グローバル化への対応が早いペースで進められています。このような中、学域としても国際化に向けた取り組みを加速化しています。フィリピンのセント・ラサール大学やフィリピン大学など、本学域が中心となった大学間の国際交流協定に基づき、昨年度は、フィリピン大学から短期留学生4名を受け入れ、実習を通じて交流を深めました。こうした機会に刺激を受けて、3名の学生がフィリピンへの留学を希望し、本学の派遣制度により中期留学しました。また、JSTのさくらサイエンスプランを活用してフィリピン大学から教員・学生が来日し、貴重な国際交流の機会を得ました。各種留学支援制度も充実してきており、学生が留学する機会も多様になっています。このような国際化に向けた学域の取り組みは、今後も活発化させていく予定です。
教育研究組織の再編をきっかけとして、平成29年度より、大学院博士前期課程のカリキュラムについて見直しを行いました。博士前期課程の学生の研究能力をより向上させるため、院基礎科目の再編などにより授業負担を減らすとともに、より修論研究に相当する科目の単位を増加させ、修士1年次に中間発表の機会を設けるなどして、学生がより研究活動に注力できるカリキュラムに変えています。また、教育の質の向上を図るため、学生の受動的な学びを転換し、自らの能動的な学びを促すアクティブラーニングの充実に取り組んでいます。本コースでは平成26~28年度にFBL(フィールドベーストラーニング)を用いて、現場見学会を組織的に実施し、事前・事後学習の導入など教育効果を高めるための工夫を取り入れ、講義に対する学生の意欲及び主体性の向上を図る取り組みをしています。複数の授業の中で実施、試行することで専攻分野に対する興味・関心の醸成、講義に対する動機付けや、将来のキャリアパスとしての意識等に効果的なことがわかってきました。今年度からは、これまで検討してきた学生の自主的学習の方策をもとに、演習・実験科目に問題提起・解決型の課題の実践や、FBLの授業化を検討していく予定です。
本学域で扱う専門分野は、前述のとおり社会との結びつきが深いことは言うまでもなく、かつ活動分野も広範多岐にわたっています。学生にとっては、普段の大学生活だけでは土木分野の動向を知るにも限界があります。現場見学、インターンシップ、卒業生のキャリア紹介、土木BBQといったイベント等、卒業生の皆様との各種交流の機会は、研究・教育の面からも、また、学生が将来の進路等を考える上でも重要な機会になるものと考えています。皆様にはこれまでのご協力に感謝申し上げますとともに、これからもより一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。