都市基盤環境学域長・コース長の挨拶

首都大学東京 都市基盤環境学域長・コース長 小根山 裕之

原則 2 年任期ということで,今年度も引き続き,学域長・コース長を担当させていただきます.皆様どうぞよろしくお願い申し上げます.
まず,教員の異動からご紹介しますと,平成 27 年度末をもって,野上邦栄先生が定年によりご退職されました.昭和 50 年に東京都立大学に助手として採用されてから 41 年間の長きにわたり,都立大・首都大における教育・研究に多大なる貢献をされました.また,4 月 1日より,野上先生の後任の教授として,村越潤先生を国立研究開発法人土木研究所から新たに迎えました.現在,常勤教員は教授 7 名,准教授 7 名,助教 7 名の体制となっています.また,本学域の西村和夫教授は副学長,宇治公隆教授は都市環境学部長・研究科長として,引き続き,大学運営の中心的な役割を担っています.
また,学生に関しては,本年 3 月に大学院博士前期課程 39 名,学部生 54 名が修了・卒業し,4 月には,博士前期課程 37 名,編入学生 3 名,学部新入生 57 名を迎え,新年度をスタートしています.
首都大学東京は平成 17 年 4 月に開学してから 12 年目を迎えました.今年度が第 2 期中期計画の最終年度になり,平成 29 年度からの第 3 期中期計画の策定も進められています.第 3 期中期計画の目玉の一つである平成 30 年度からの教育研究組織の再編についても概ねまとまりました.基本的には,今回の組織再編においては本学域の枠組みは,大きくは変わりません.しかし,今後に目を向けると,大学進学人口が減少するいわゆる
「2018 年問題」による大学間の競争激化や,平成 32 年度からの入試改革対応などもあります.教育・研究の質を維持・向上させつつ社会に貢献していくためには,今後とも時代の要請を先取りして改革を不断に進めていくことが必要と考えます.
上述した教育研究組織の再編をきっかけとして,大学院博士前期課程のカリキュラムについて大幅な見直しを行う予定です.具体的には,博士前期課程の学生の研究力をより強化するため,院基礎科目の再編などにより授業負担を減らすとともに,修論研究に相当する科目の単位を増加させるなどして,学生がより研究活動に注力できるカリキュラムとしています.最近,社会人・留学生以外で博士後期課程に進学する学生が大変少ない状況ですが,これらにより,研究の面白さに目覚めた学生が博士後期課程に進学してくれることも願っているところです.
最近のグローバル化の重要性に鑑み,大学の国際化に向けた取り組みは最重要課題ともなっています.大学としては,平成 26 年 2 月に策定された国際化基本方針に基づき,国際化行動計画が平成 27 年 12 月に策定されました.この中では,留学生の大幅増や国際化に向けた様々な環境の整備などが謳われています.このような中,学域としても国際化に向けた取り組みを加速化しています.昨年度始まったグローバル人材育成入試では,これまでに 2 名の学生が入学しました.また,世界展開力強化事業での半年間のマレーシア留学や,その他の各種留学支援制度も充実してきており,学生が留学する機会も多様になっています.フィリピンのセント・ラサール大学やフィリピン大学など,本学域が中心となった大学間の国際交流協定も締結され,昨年度は JST のさくらサイエンスプランを活用してセント・ラサール大学から教員・学生が来日し,貴重な国際交流の機会を得ました.このような国際化に向けた学域としての活動は,今年度以降もさらに活発化させていく予定です.一方,留学生については,アジア高度研究などでの博士後期課程の留学生受入が増えましたが,必ずしも多くはありません.今後,留学生受入の増加に向けた入試,カリキュラム,広報 (HP など ) の検討を進めていきます.
教育の質の向上という観点では,学生の受動的な学びを転換し,自らの能動的な学びを促すアクティブラーニングの充実が叫ばれています.この実現に向けて,本コースでは FBL(フィールドベーストラーニング)の充実に取り組んでいます.これは,これまでも実施されてきた現場見学会を組織的に実施し,事前・事後学習の導入など教育効果を高めるための工夫を取り入れたものです.近年の活動の結果,現場見学会の回数・内容等も着実に充実してきています.本取り組みを更に推進するためには,現場を担当する事業者の方々の協力が不可欠です.同窓生の皆様にもご協力をお願いいたします.
東京都のアジア人材育成基金を活用した高度研究は,本学域ではこれまでに 2 つの課題が実施され,多くのアジアからの博士後期課程留学生を受け入れ,輩出してきました.さらに今年度から,アジア人材育成基金の後継制度である「東京都都市外交人材育成基金」による高度研究もスタートしますが,全学で 2 テーマ採択されたうちの 1 つが,河村明教授が研究代表者の研究プロジェクトです.高度研究では研究の進展だけではなく,アジアなどの留学生を受け入れ,博士研究を行い,日本との架け橋となる人材を育成することも大きな目的であり,本プロジェクトでも博士後期課程の留学生を多く受け入れることが予定されています.
以上,学内での最近のトピックを紹介しました.大学,あるいは本学域も,ダイナミックに変革しつつあるところです.しかしながら,大学にとって,学生が中心であり,卒業生の皆さんの活躍が財産であるということは変わらないと考えます.その意味で,それらを繋ぐ土木会の発展は極めて重要であるといえます.まだ,土木会の学生への浸透はこれからの課題ですし,現役の学生にも,卒業生(特に若手の方)にも有意義な会とするためには何が必要か,まさに今後議論を深めていくべきところです.是非,卒業生の皆様から様々なお知恵をいただき,ご協力いただきながら,土木会の活動を活発化するとともに大学との結びつきを深めることができれば,大学としてこれほどありがたいことはありません.卒業生の皆様のこれまでの様々なご協力に感謝しつつ,より一層のご協力を賜りますよう,お願い申し上げます.